米粉パンは膨らまない、餅のよう、発酵しない、焼き色がつかない等、
主な失敗の原因(タイトルの〇〇=米粉選び、水分量、イーストの量、過発酵、焼き温度、保存の仕方)をまとめてみました。
参考になりましたら幸いです。
※当サイトでは、商品を紹介するときにアフィリエイトサービスを使用させて頂いております。
1、そもそも製パンに適した米粉ではない
小麦粉と違って、米粉はどのメーカーの米粉を使ってもパンが作れるわけではありません。
一言でいえば、パッケージに「製パン」「パン作りに」と書いたものか「製パン用ミズホチカラ」であれば、パンに適した米粉です。
数字でいうと粉の細かさが、「50ミクロン前後/300メッシュ」になっているもの。一般的なお団子用の米粉は粉の粒が大きい(140ミクロン/100メッシュ)と比べると、かなり細かい粉である必要があります。
アミロース(膨らませる作用を持つでんぷん。米の品種により含有量は異なる)含有量が「15%∼25%のもの」。
理論は省略しますが、アミロース含有量が少ない(菓子、料理用)と膨らまず、多い(麺用)と硬くなります。
ちなみに、焼き菓子と同様、米粉+別の粉(片栗粉、コーンスターチ、アーモンドパウダー、大豆粉等)を合わせるのがおいしくできるコツ。
この点だけで既に米粉100%でおいしいパンを作るのは難しいといってるみたいなもの。
2、材料の分量・水分量を間違えている
例えばイーストが多すぎた、仕込み水が多すぎたか少なすぎたなど。
必要な仕込み水の量は使う米粉によって変わるので何度か試してみて調整するしかない。
ちなみに、仕込み水はレシピに水と書いてあっても、暑い時期は冷水(過発酵を防ぐ)、寒い時期はぬるま湯を使う。(お湯はイーストが働かなくなるので厳禁)
3、成形の状態が悪い
成形するときの生地の状態がべちゃべちゃでも乾燥しても成形しづらく焼き上がりも失敗します。
べちゃべちゃ状態にはサイリウム(オオバコ)を足すこと。
乾燥しないよう霧吹きしてこまめにラップをかける、油を手につけて成形すること。
混ぜすぎや成形に時間がかかりすぎも乾燥の原因になります。
成形にベストな生地の状態は、生地がゴムベラに付かないが指に少し付く状態です。
分割して丸める際はとにかくツルツルにすることがポイント。見た目が格段に良くなります。
4、過発酵
過発酵になると、生地のキメが粗く、しぼんだようなパンができます。風味がなく、独特の臭い匂いがします。
一般的に成形パンは1.2倍、食パンは型の8割まで大きくなるのが発酵の目安と言われます。
必要以上に膨らみ、表面に気泡ができすぎ、生地がベタついていたら既に過発酵の状態です。
暑い時期は過発酵になりやすいので、レンジの発酵機能は使わず常温で発酵させた方が良いです(こまめに状態を確認できます)。
過発酵を防ぐには、イーストを減らす、仕込み水に冷水を使う、発酵時間を短くする、レンジの発酵機能を使わないなど。
また過発酵だと焼き色がつきにくいです。
過発酵以外にも、発酵しない(イーストが古くなっていた、イーストの量が少ない、室温や仕込み水の温度が低い等)時も膨らまない、食感の悪いものになります。
また、よそのレシピでは発酵要らずで簡単にできる米粉パンと言ってベーキングパウダーを使う例がありますが、ベーキングパウダーで膨らませたパンはパンというべきではなく、やはり劣化してないイーストを適量使うのがパンであると考えます。
5、焼き温度が低い
米粉パンの場合、低くても190℃以上で焼きます。
パンに適した米粉に含まれるでんぷんの糊化(デンプン粒子が膨らんで水と結合する現象。加熱が弱いと糊化が十分にできず膨らまない)のため、200℃以上の高温で焼くと失敗が少ないです。
特に家庭用のオーブンは予熱しても温度が下がりやすいのでレシピの温度より10℃くらい高めで焼くのが無難。
また、焼き色がつかない時の対策は、①焼く前のパン生地に油を塗る、②焼き温度を上げる、③火力の強いオーブンを使うです。
③に関して、シャープのオーブンレンジの下段は結構良い焼き色がつきました(焼き色をつけたくない時は要注意もしくは上段を使う)。
筆者が工房で使っていた比較的手頃でタフなオーブンレンジ↓
6、焼いた後に冷蔵庫で保存した
1日以内に食べる場合は常温で、すぐ食べない場合は冷凍にすること。
冷蔵庫で保存もしくは冷蔵庫で解凍するとパサつき硬くなり、レンジやトーストで加熱しても食感は戻りません。
理論的には、米粉のでんぷんが老化・結晶化(水分を維持できなくなる現象)が促進される温度が冷蔵庫の温度のため、冷蔵すると乾燥が進みます。
したがって、米粉パンは冷蔵庫厳禁。解凍する時も常温で自然解凍するか、冷凍のままレンジやグリルで解凍するのが正解です。
まとめ
以上、米粉100%のグルテンフリーパン作りが失敗しやすい原因をまとめました。
小麦粉と違って米粉は粉を用途により選ばなければならないという点について、昔は100メッシュ・140ミクロン(和菓子用)が主流だったのが製粉技術の進歩でパンや洋菓子に適した細かい粉が作れるようになったおかげで、グルテンフリーでおいしいが成立するようになったのだと思います。
コメント