独身アラフォーが北陸地方へ移住(Iターン)を試みて失敗した話

北陸移住のイメージ。雪国の景色 移住のこと

地方移住に興味がありますか。

たとえば満員電車の通勤、物価や家賃の高さなどで都会暮らしに疲れ、田舎で生活コストをかけずにのんびり暮らしたい。
と思ったことはありますか。

東京や関西のとある便利の良い地方都市に住んでいた私が、甘い考えでウェブ系フリーランスならどこに住んでも一緒!と全く縁もゆかりもない北陸地方のとある県庁所在地(人口30万人以上)に移住を試みた時のことを書いておきます。
これから地方移住を考えている方の参考になれば幸いです。

本当は安くない生活コスト

田舎に行けば、家賃や物価が安いイメージはあります。
東京では1Kの家賃が月11万だった時のことを思えば、北陸では3DKで家賃5万円でした。
確かに家賃は大変安かったです。

しかし、田舎で安いのは家賃だけ
その他の生活費は都市で暮らしていた時の方が安く、トータルで考えると北陸の方が生活費は高かったです。
特に田舎の方が高いと思ったものは、

  • 水道光熱費
  • 食品、日用品の物価
  • 交通費

水道光熱費は、どれも都市で暮らしていた時よりだいぶ高かったです。
北陸だったこともあり、冬の電気代とガス代は家賃のお得感を大幅に上回る金額(普通の家庭用の契約で電気15000円/月、ガス15000円/月くらい)でした。
地方では大概プロパンガスです。都市ガスと比べると月々のガス代が高いです。
都市ガスでガス代2000円/月ほどで暮らしていたのを思うと、冬のプロパンガスのガス代はかなり痛い出費でした。
電気代は北陸電力が強いので全く安いとは言えず、水道代も人口の少ない町ほど高くなる傾向があるので、水道光熱費は都市の方が断然安いと思います。

次に、物価。
旅で訪れたことがある高知は確かに安かったですが、移住先の北陸の町では全く物価が安いとは思いませんでした。
イオ⚪︎など大手スーパーや業務用スーパーが近くに有ればまだしも、徒歩圏では北陸のローカルスーパー1軒しかなく、競争がはたらかないためか高齢者が多いから高くても売れるのか、流通が閉鎖的なのか、これも都会の方が安いと思いました。
唯一安くておいしいと思ったのは海鮮くらいでした。

交通費は、車を持っていなかったので市内の移動でのバス代とタクシー代、東京や大阪方面に出る時の電車代です。
車がなくても生活できないことはなかったけど、全くコンパクトな町ではなかったので、バスでは移動手段としてとても非効率。かといってタクシーも頻繁に乗ってられないので、結局車必須(交通費はかからなくても車の購入費、維持費と車検代の出費)です。都会の地下鉄は本数多く時間通りに移動できとっても便利と実感しました。

以上より、実家にUターンする以外は、地方の方が生活費がかかると思いました。
生活費がかかる割に賃金はとても安いので、給料水準の高い都会の方が経済的には良い生活が送れます。

賃貸物件が少ない

田舎では不動産が安いので、古民家を安く買って(リフォームして)暮らすのも選択肢です。熱心な自治体は購入費やリフォーム費に使える補助金もあります。

一方、賃貸となるとこれといった補助もなく、物件自体の数が少なくて住まいの選択肢が非常に限られてきます
田舎の方が持ち家が主流なので、賃貸物件がとにかく少なくてイマイチ。地方でも便利なところや新築物件は普通に家賃高いです。
空き家バンクも圧倒的に売買物件が多くて移住者のニーズとミスマッチな感じがします。
(質の高い賃貸物件の供給を増やした方が空き家活用にもなりそうだけど、不動産の持ち主としてはリフォームして貸すよりも売ってしまいたい方が多い現実)
余談ですが、移住したところで住んでた賃貸マンションでは管理人がやるような共用部分(資源ごみのカゴを出すとか片付けるとか)の当番が回ってきました。
また賃貸の集合住宅でも町内会費の支払いを求められることもあります。
細かいことですが、どちらも移住前に住んでたマンションでは無かったことでした。

災害のリスク

日本中どこでも地震や豪雨のリスクがあります。
特に温暖な太平洋側の地域は特に南海トラフの被災リスクが高いと考えられます。
1981年以前の木造建物、海沿い、川の近く、土砂崩れ、地盤が弱いところは避けるが無難。

移住先の「水が合わない」リスク

縁もゆかりもないところに移住する時、1番大事なのが「水が合う」ことだと思います。
私は移住の動機が家賃が安いだったのですが、これが原因で数ヶ月で都会に戻りました。
本当に合わないと心身の健康を失い→働けずお金を失い→暮らしていけなくなります。
たとえば、精神科の通院歴のある人は絶対に何があっても日本海側の地域に移住することはやめた方が良いです。
とはいえ、これは住んでみないと分からないもので、移住前に春夏秋冬朝昼晩一通り過ごしてみることは面倒でもお金がかかっても絶対にやっておくべきと反省するところ。

人(または若者)が少ないので商売が成立しない可能性

ウェブ系、作家などクリエイター系、林業、建設系の仕事、都会から受注する仕事、1人で完結できる仕事などは住む場所を選ばないですが、人(働き手とお客さん)の居ないところで店舗を構えて起業すると失敗するリスクが高いです。
働き手が居ないといつまでも自分1人でできる分の売上にしかならないし、商売が広がらないです。
お客さんが居ない(アクセスが悪い)と売上なしで営業してるだけで赤字です。
特に田舎や高齢者の傾向として、話題のものとか新しくできたものに飛びつくというよりは変わらず安定したものが好まれます。

経験談ですが、ネットショップは住む場所を選ばないものの、ネット上に競争相手が多すぎて中々軌道に乗るのが厳しいといえます。
私は車で通勤出来なかったので移住先で就職や雇用されることは考えなかったのですが、賃金は安いけど仕事はあるのではないかと思います。
それと若くて能力のある人は地方には少ないので、競争倍率は有利な気がします。都会だと派遣の仕事一つに何十人も応募が集まるそうなので。
また、移住先での知り合いを増やすためにも最初の仕事は就職するか、地域おこし協力隊がやはり良いかもしれません。

最後に

都会の便利な生活に慣れた独身者が北陸のとある町に移住してみての実体験をもとに書きました。
地方の方が車、家、生活にお金がかかるのでのんびりしてる余裕はないこと、気候が厳しいので雪下ろししないと家から出られない場合があること、車社会なのでのんびり歩いてる人も少ないこと等から、田舎でのんびり暮らすというのは幻想だと思います。
理想は働き盛りでお金があって若くて元気な時は地方で広々と暮らし、年を取ったら都会のマンションに移ってコンパクトに暮らすというのが良いかもしれません。
最後に、地元の人から移住者に言う「住みやすい」は絶対真正面に受け止めてはいけません。

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