お菓子が好きなのでお菓子屋さんをはじめたい。
と思う方は増えているかと思います。
私もそう思っていた一人でした。
ネットショップ、マルシェなどで手作り菓子の店はたくさんあるし、普通の個人が実店舗を持たず販売しやすくなった気がします。
フリーランスでやってるウェブ制作だけでは心許なかったので、全く違う分野で副業を始めたかったというのもあり、無店舗で焼き菓子屋をやることを考えるようになりました。
ただ、手作りのお菓子を販売しようと思うので有れば、自宅のキッチン作ったものではダメで、保健所の菓子製造許可を取ったキッチンで作られたお菓子しか販売できないのです。この菓子製造許可を取るためにまず必要となるものは、物件探しと資金です。
それが個人で自分で菓子製造許可を取ってお菓子屋をやろうとする際大変大きな壁となります。
自宅が戸建てで工房を増築できたり、実家の庭や空き部屋を利用できればどれほどよかったのにと思いましたが、私の場合は賃貸マンション住まいで実家は病気の祖父がいるので、家賃発生なしでお菓子屋になるのは無理なのが現実。物件も資金も無かった状態でした。ちなみに融資は物件が決まらないと申込めないので、まずは物件探しからスタートしました。
【賃貸での物件探しについて】
自分か家族の不動産を利用できず賃貸で厨房を作るなら以下のパターンが考えられます。
- 居住用マンションかアパートの一室を借りて改装する。
- 居住用戸建てを借りて改装する。
- 事業用居抜き物件を借りて必要があれば改装する。
- 事業用スケルトンの物件を借りて改装する。
私はざっくりと以下のような基準で居住用と事業用両方で探していました。
- 貸主に保健所の許可を取って(必要な工事をして)営業することのOKをもらえる
- 家賃10万未満
- 同じ建物か近くに住めること
- 保証人不要で借りられること
- 交通の便が良い住宅街
①居住用マンションかアパートの一室を借りて改装する
キッチンと換気扇、エアコン、トイレが元々設置されているので、一からキッチンを作るより初期投資(手洗いやシンクを増設したり、撥水加工のシートを貼ったりするくらい)が少なくて済み早く営業できます。また、事業用テナントと比べると、家賃は安いです。
ただ、地方では居住用のマンションを事業用に利用したり改装を許可してくれたりする物件がほとんどないことと、1K、1Rでは保健所の許可がおりないこと(例えばキッチン〜トイレまでの扉の数が少ない)がネックです。仮にこのような物件があったとしても看板が出せなかったりするとお客さんは来づらいので、マルシェやネット販売など無店舗販売をするなら有りな方法だと思います。
②居住用戸建てを借りて改装する
マンションより、事業利用や改装に柔軟な場合が多いです。2階建なら上に住んで下に厨房を作ったり、庭があれば庭にプレハブを建てて工房兼店舗にしたりすることも考えられ、通勤時間ゼロというメリットがあります。ただ管理会社が事業用賃貸に不慣れな場合、契約手続きが一向に進まず引き渡しが遅くなることも。働き方が多様化してるとはいえ、なかなか居住用の物件を改装して商売したいという人はまだ少ないと思うので、管理会社の人にはこういう感じで(下記リンク参照)使いたいと何回も伝えました。
賃貸住宅で菓子製造業許可! DIYで住まい+αの夢を実現(ワクワク賃貸ウェブサイト)
また、建物の間取りによっては改装が大掛かりになることもあります。(私が見積りを取った戸建て物件では220万円くらい)家賃については居住用物件であれば非課税ですが、事業用では家賃に消費税がかかり、敷金礼金を+1〜2か月増額されることが多いです。
③事業用居抜き物件を借りて必要があれば改装する
ケーキ屋かパン屋の居抜き物件が見つかれば、開業するには1番楽な方法だと思います。すぐに営業できるのもメリットです。気になる点といえば、立地・前テナントの退店理由・家賃か造作譲渡が高額・設備や機器の性能が保証されない点です。1年くらい物件探ししてましたが、条件の合うケーキ屋かパン屋の居抜きは見つかりませんでした。
④事業用スケルトン物件を借りて改装する
自分の好きなように改装できますが、1番初期投資がかかります。私は地方都市で探していたので①③はなく、②か④の比較で②の方が家賃と工事の見積りが高かったため、④のパターンを選びました。費用は内装工事約170万円+厨房機器約160万円=約330万円かかりました。物件の契約から菓子製造許可を取るまで2か月弱かかったので、その間の家賃がもったいなかったです。工事をする場合は工事期間のフリーレントを交渉できたら理想です。
【資金について】
これも足り無ければ借りることになります。新規開業ではなかなか銀行での融資はおりないので、以下から借りることが考えられます。
①家族、親族
②公庫
③制度融資
④クラウドファンディング
融資を申し込んだ話はまた別の記事で書こうと思います。
クラウドファンディングは返済不要ですが、(知名度やフォロワーも少ない状態では特に)目標額に達するのは厳しいのが現実です。
【物件も見つからず資金も無い場合】
それでもお菓子の販売をやりたいと思うなら、菓子製造許可付のシェアキッチン(レンタルキッチン)を利用することになります。
メリットは、
- 家賃や初期投資のリスクがない
- 調理器具が揃っていてすぐ始められる
デメリットは、
- 使用料金が割高(作るものによっては利益ない)
- 好きな時に使えるとは限らない
- 時間制限がある
- 生菓子はネットやマルシェで販売不可
- 荷物の持ち運びが大変(材料、型、包装用品、消耗品を持っていかねばならないのと、作ったお菓子+持ってきた荷物+ごみ持ち帰りで)
書き出してみるとデメリットの方が多いですが、お菓子屋を始めるのにもっともリスクがないです。
私もシェアキッチンでリスクなく小さく始められたらとは考えました。
が、住んでいた地域の近くにはレンタルキッチンが無く、電車に乗って大荷物を抱えて通うのがどうしても難点で、自分で菓子製造許可を取ってお菓子屋になろうと思いました。
シェアキッチンの話はまた今度。
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