米粉(グルテンフリー)の焼き菓子が失敗する理由を一言でいうと、他者のレシピの粉の部分をそのまま米粉に置き換えるからです。
世の中の洋菓子のレシピは圧倒的に小麦粉で作るレシピが多いので、私も小麦粉のレシピを参考にして薄力粉と同じ分量加えては失敗していました。西欧のお菓子をアジアの米で同じように作ろうと思うと大変なのは当然といえば当然です。
かといって米粉で作られたレシピなら置き換えて作って問題ないのかというとそうでもなく。
グルテンフリーの焼き菓子のレシピは大抵「ミズホチカラ」という製菓用の米粉を使っています。ミズホチカラで作ったレシピを参考に他の米粉を使うとまた違うものができます。
グルテンフリーを始めたばかりの頃、スーパーで売ってる料理用の米粉で作ってみたら油っこい『餅』、ミズホチカラで同様に作ってみたら『洋菓子』くらいに全く出来が違いました。
結局米粉のお菓子で何が1番難しいかというと、①米粉の吸水率と②グルテンがない点です。
①米粉の吸水率=粉が水分を吸収する力。
生地が固い、まとまらない、できたお菓子の食感がもっちりを通り越して餅のようになる、ぼそぼそするなど、グルテンフリーのお菓子作りでうまくいかないとすると、これが原因なことが多いです。
薄力粉であればどのメーカーの薄力粉でもこれは大差がないと思いますが、米粉の場合は同じ製菓用であってもメーカーやパッケージが違えば吸水率が異なります。
つまりミズホチカラ使用のレシピで作るなら、同じミズホチカラを使わないと失敗しやすいです。
違う米粉を使うのであれば、生地の固さを見ながら、レシピの水分量もしくは米粉の量を調整するとうまくいく可能性が高いです。
②グルテンがない=ふくらませるのが苦手です。
パンはグルテンの力でおいしく焼けるといっても過言ではないので、グルテンのない米粉100%で作ったパンはなかなかおいしく焼くのは困難です。
したがってケーキ類は卵の力、米粉100%の蒸しパンとかはベーキングパウダーの力を借りていたり、パンは米粉だけでの成形は困難なのでサイリウムを使ったりすることで可能となります。
米粉の特性がわかるとどうしたら成功に近づくか、イメージしやすくなります。
下記は焼き菓子を米粉で作って失敗した時の対策案です。
・シフォンケーキ
ふくらまない→メレンゲの卵白を増やすかベーキングパウダーを使ってふくらませる
・パウンドケーキ、マフィン
粉っぽくぼそぼそした食感→バター、液体油脂、チョコレート、牛乳の力でしっとりさせる
もちもちしすぎる→粉の分量のうち、米粉を80〜85%、残り20〜15%はアーモンドパウダー、オートミールパウダー、大豆粉など米粉以外の粉をブレンドする
・クッキー、タルト
生地がまとまらない→米粉の量を減らす(80%くらい)または溶き卵等水分量を増やす(水分量を増やしすぎると湿気やすくなったり食感が悪くなる)
サクッとしない→粉の分量のうち、米粉を減らして、減らした分はアーモンドパウダーをブレンドする
・カヌレ
中が2層になる、餅のようになる→水分量が多いと餅化しやすいので、牛乳の量を減らす/米粉を増やす
すが入らない→米粉でも一晩冷蔵庫で寝かせる
グルテンフリーカヌレは本当に難しいので、ミックス粉が便利です。
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