焼き菓子のお店を始めるにあたり、厨房設備・什器備品など最初に買ったものがたくさんありました。
営業前から本当にすごい勢いで預金口座の残高が減っていきます。。
お店を始めてから購入したものを振り返ってみて、買ってよかったものと買わなくてよかったものをそれぞれ挙げてみます。(飲食系のお店に必ず必要な冷凍庫と冷蔵庫、二層シンクは除く)これから焼き菓子屋ほか食品物販のお店を始める方の参考になれば幸いです。
買ってよかったもの
①ラベルプリンター
マルシェに出たりネット販売したりする場合は商品に食品表示ラベルを貼る必要があります。
開業前、ラベルプリンターを買う前は、電気屋さんでA4サイズ1枚で32枚くらいのシールが印刷できるシール用紙を買ってきてパソコンでデータ作り普通のプリンターでプリントしていました。費用はシール紙代くらいで済むのですが、少ない枚数だと残った白紙のシールがもったいないのと冷凍すると滲むのとで開業したらラベルプリンターを購入。
ブラザーのQL-800というラベルプリンターの中では2万円弱くらいの比較的手頃なものを買いました。手持ちのパソコンがMacでP-touch editorの接続がわかりにくかったのと、端末とラベルプリンター本体をUSBで繋がないと使えないのがやや不便ですが、オートカッター機能とラベルだけお店の商品らしい見映えとなり、感動しました。
ブラザー 2インチ感熱ラベルプリンター”QL800” QL-800【370-0206】
②卓上シーラー
富士インパルスのショップシーラー FS-215 を買いました。手動ですが、商品を両手で持ってシーラー作業ができるので楽です。包装材の厚みによって加熱時間を調節できるので、コンパクトなシーラーではやりづらい厚みやマチのある袋もこれでしっかり密封できます。
③業務用デッキオーブン
マルゼンのMBDO-5Eを買いました。業務用オーブンにしては小さいけど、操作が簡単で一度にたくさん焼けるし、お菓子もパンも何でも焼けます。ただクセのあるオーブンなので焼き加減をつかめるまで結構時間がかかるかも。ちなみに上位モデルのMBDO-D5Eはスチーム機能付と炉床の材質が良いらしいけど、湯煎焼きのお菓子を作らないなら手頃なこちらで十分かと。難点はミニデッキオーブンでも幅が結構大きいので、物件によってはドアか壁を壊すかスケルトンでないと搬入できない場合があります。あと、中古で買う場合、本体は安くても自分で100kgのオーブンをトラックから荷下ろし、搬入しないといけない点に注意。
マルゼンミニデッキオーブン(スタンダードタイプ)型式:MBDO-5E寸法:幅900mm 奥行800mm 高さ550mm送料:無料 (メーカーより)直送保証:メーカー保証付
ちなみに架台も必要です。
MBK-S5 架台 ベーカーシェフ ミニデッキオーブン用 マルゼン (適用機種:MBCO-5E(L)、MBDO-5E、MBDO-D5E)
④オーブンレンジ
バターやクリームチーズを柔らかくしたり、ナッツ類のローストなどの下準備に必須。
建物の間口や電気容量、予算の都合で業務用のオーブンを導入できない場合にも家庭用の大きめ(30L以上)のオーブンレンジが2台あれば十分営業可能です。発酵機能もあればパンもこれ一台で全工程作れます。
どうしても業務用オーブンでしか作れないというものでない限り、最初は家庭用のオーブンレンジで初期費用を抑えて運転資金を多めに確保、利益が出てきてから業務用オーブンにステップアップした方が良いです。シャープのオーブンレンジ RE-SS10Xは3台目のオーブンとしてクッキー等を1日に何度も焼いてもタフに活躍してくれてます。
SHARP シャープ 過熱水蒸気オーブンレンジ 31L コンベクション 2段調理 ホワイト RE-SS10X-W
買わなくてよかったもの
①卓上ミキサー
メレンゲ用にキッチン⚪︎イドを購入したものの、ハンドミキサーの方が慣れてるのと、動作音が大きくてほぼ使ってません。焼き菓子屋だとホイップクリームも作らないし、パン生地もこねないし、結局ハンドミキサーで十分だった。
②業務用コンベクションオーブン
クッキーなどサクサク食感のお菓子はうまく焼けるものの、そのほかのしっとりさせたい焼き菓子はうまく焼けず、スチームで焼きたいものも特に無く、結局デッキオーブンばかり使っているため。一度試しにフィナンシェを焼いてみたらラスクのようになってしまい、以来使いこなすのが難しいと感じていました。たぶん熱風の風量(はじめは風が強い設定になっている)や加湿量を調整すると良いのかもですが、また食材を無駄にするかと思うと気が進まず。本来ならハード系のパン以外は割となんでも焼けるみたいなので、買って後悔するかいい買い物だったかは使いこなせるかどうか次第です。
追記:熱風の強さを調節したらしっとり系のお菓子もびっくりするほどうまく焼けました。焼き時間も家庭用オーブンより10分くらい短く済み、効率的。やっぱり買ってよかったです。
③ショーケース
コロナ禍だったので、対面販売するならベーカリーのようにトレーに並べるよりもショーケースの方が衛生的な気がして買ったけど、個包装してるので棚とかに並べるで十分だった。ショーケースよりレジ台と商品を包む作業台みたいなカウンターは必要。
④食洗機
売るほど作ろうとすると洗い物が多く地味にきついのでやっぱりあったほうが良いかと思いましたが、家庭用は乾燥するのに時間と電気代がかかるのと、お菓子の型は食洗機不可なものが多いから買わなくてよかったです。
業務用の食洗機はというと本体の値段+給湯設備が要るらしいので初期コストが大きくなります。
余談:買わなくていいけどあると良いもの
①フードプロセッサー
クッキー、スコーン、チーズケーキの生地があっという間にできそう。
②セカンド冷凍庫
材料、生地、冷凍発送する商品であっという間にいっぱいになるので。逆に冷蔵庫は、牛乳、卵、ジャム類、バターくらいしか入れてなくて1台で十分でした。
③卓上パイローラー(リバースシーター)
クッキー、タルト、パイ生地を作るなら手で伸ばすより断然楽なので。卓上サイズだと電源不要、洗える、コンパクト、通常サイズの半分くらいの値段で買えるのが良い。
まとめ
この記事の結論としては、慣れてなかったり扱いきれない業務用機械は買うべきでないです。もちろん業務用の方が馬力や耐久性があるし効率が良いけど、家庭用でいけるなら最初はそれで、軌道に乗ってから業務用を買ったらよく(特にオーブン)、初期投資は抑えて運転資金を少しでも多く残しておくほうが賢明かと思います。
私の場合なぜ最初から業務用オーブンを導入したかというと、カヌレを焼くのに250℃を5分以上維持する必要があったため、オーブンは業務用にこだわった次第です。。ちなみに家庭用オーブンでも保健所の菓子製造許可は問題なく取得できます。
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